
(訪問日:2023/8/16)
真夏にみやこ町の歴史資料館からの帰り、ちょうど横を通れたので、短時間でも立ち寄ろうと車を駐車場に停めた。
以前から「豊前国分寺 三重塔」の看板はよく見かけていて、いつか行きたいと思っていた。
駐車場を降りると案内所があり、スタッフの女性から冊子をいただき、事前予約があれば三重塔の中を見学することも可能と教えていただいた。
今はどうなのか、Webサイトで情報を見つけることはできなかったが、お願いできるものならお願いしたいものだ。

築年数100年を超える塔は、九州では三つしかないらしい。
細かい彫刻や造りに目を奪われた。

ふるさと「みやこの文化遺産」/福岡県指定有形文化財(建造物)
豊前国分寺(ぶぜんこくぶんじ)三重塔(さんじゅうのとう)一棟
国分寺内に聳えたつ三重塔は、明治二九年(1896)に竣工した木造の層塔で、九州における築百年を超える古塔の希少例であるとして昭和三二年(1957)、福岡県の文化財に指定されました。
この塔は明治期の建立だけに、伝統を踏まえつつも建立者の工夫や創意を交え、新時代を反映する造作にもなっているとのことで、その特色や見どころは次のようなものとされています。
①初層部分が大きく間取りされ安定感がある。宝塔との折衷を意図した様式と考えられ、建立時の塔の名称も「明治記念(大)宝塔」としている。
②二層の丸桁(がぎょう)部分に十二宮(星座)が浮彫されるが、これは宝塔を大日如来(=宇宙の主)の三摩耶形(さんまやぎょう)(=シンボル)とする真言密教の世界観を表現する意図がうかがえる。これに対し内部(初層)は伝統・通俗的な福寿吉祥の彫刻で飾られる。
なお、この塔は建立は勿論、昭和六二年(1987)の解体修理も地元豊津町(当時)を越えた範囲の多くの方々の浄財によって完成しており、みやこ町の枠を越えた地域のシンボル「みんなの塔」として末永く大切にされる文化遺産であることが期待されています。
平成30年3月 みやこ町教育委員会
看板には、塔の「丸桁(がぎょう)」と呼ばれる部分に星座が浮彫されり、大日如来をシンボルとする真言密教の世界観を表現する意図に触れられていた。
大日如来といえば修験道で崇拝される仏…という印象だ。
みやこ町公式ホームページによれば、塔の内部に大日如来が安置されているそうだ。

かつて国分寺の塔は、七重塔だったそうだ。
建てられていた場所も異なるという。
元々今の場所の東側(鐘楼門をはさんで三重塔とは反対の東側)にあったと推定されている。
九州四十九院薬師霊場会Webサイトによると以下のように伝えられている。
「豊前国分寺は、天平13年(741年)に聖武天皇が天下泰平と鎮護国家の祈願を込めて全国68箇所(66国と2島)に建立を命じた国分寺の一つです」
戦国時代(天正年間)です。に大友宗麟の兵火により七重塔は焼失されたそうだが、九州の貴重な歴史が「大友宗麟の兵火で消失」というところが多くて、古代史ファンとしては大変残念でならない。
よりにもよって、そこを?という場所が多い気がするのだが…
豊前国分寺 三重塔のアクセス
〒824-0123 福岡県京都郡みやこ町国分280
営業時間の確認要