大分県は「おんせんけん」と言われるほど質・量共に豊富な温泉に恵まれた土地だ。
その大分県のなかでも国東半島の一部である豊後高田市は、珍しい泉質が多い。
その豊後高田市のなかでも秘湯といわれる「夷谷温泉」に行く途中に、目にとまった鎮守の森と神社。
それが豊後高田市上香々地の「日枝神社」だった。
初めて訪れた時はカメラをもっておらず、本当に適当に、記録のつもりでスマホで撮った。
印象に残ったのはよく見る立体的な仁王像ではなく、フラットな板のような仁王像だった。
日枝神社の境内は桜が多く、春の景色はさぞや美しいだろうとずっと気になっていた。
その翌年に、タイトなスケジュールで行った日枝神社。
桜と青空を撮りたかったけど、残念ながら風が強めな曇り空の日だった。
それでも、豊前市から1時間30分ほどかけてやってきたのだからと、撮れるものは撮っておく。
見るもの、見るべきものはたくさんあるのだからと。
宝暦14年=1764年。
神社の敷地内中央の鳥居の扁額は「山王宮」と刻まれていた。
桜並木と鳥居、狛犬の景色に目が惹かれた。
愛らしい表情の狛犬。着色がわずかに残っているようだった。
背中に子どもを背負っていた。
社殿に苔むした石祠。
ここには沢山の歴史が残っている。
見えているものは、ほんの一部のような気になってくる。
この日は、日枝神社に行く前に、食事をした。
たいへん美味しいお蕎麦と、珍しいそば粉の天ぷらのセットだった。
豊後高田市は蕎麦の産地で、市内に専門店は点在し、認定された蕎麦店では打ち立て、茹でたての蕎麦を食べることができる。
本当は所属しているローカルメディアで旅とグルメの記事にしたかったけど、ローカルメディアがリニューアル作業中で、自分のような外部ライターは記事の作成ができない時期が続き、記事作成ができるようになったのは、桜の季節ではなくなってしまった。
あの通好みの神社を、広く発信できなかったのは心残りであるが、せめてこのサイトで綴っておくことにする。
【豊後高田市上香々地】日枝神社の場所
〒872-1204 大分県豊後高田市上香々地4468