
(この記事はnoteで2023年1月9日に公開した記事を移行したものです)
昭和に活躍し、撮影の取り組み方から「鬼」と呼ばれた写真家「土門拳」の写真集を見て35mmのレンズが欲しくなってしまったnoteを書いてから
色々レンズを調べてみたけど、これだと決め切ることができなかった。
ほしいと思う単焦点レンズは距離が違い、距離がピタリなレンズは明るさが気持ち少なめ。
距離だけでも感じようと、手持ちのズームレンズが18mm-55mmだから、23mmに固定して試しに撮ってみることにした。(APS-Cのカメラなのでフルサイズ換算して35mmになるよう)
土門拳の写真集で見た木像の写真をイメージして、被写体はリアルな人ではなく、石仏。
人だと肖像権の問題があるし、なかなか気軽に撮ることは難しい。
しかし石仏や木像の場合、撮影禁止のものでなければ比較的容易に撮れる。
歴史好きで、移住してから豊前や周辺の史跡をめぐり、どこにどんな石仏や木像があるかもだいぶ分かってきたし。
そこで撮影したのが豊後高田市の重野岩窟仏。
国東半島に残る元禄時代に創設されたという迫力の石仏群だ。
近くの真玉温泉にはよく訪れるので知っていた。
先日、温泉宿に泊まって撮りに行ってみた。


あれ。
あれ、なんか違う・・・。
単なる説明のようで迫力が伝わっていない気がする。
もっと寄らなければ、高さがあるから脚立を持ってきて。
土門拳が撮った木像はもっと肉薄していた。
グイグイと一目を気にせず近づかないとといけないことは分かったけどやっぱり無理だ。
これから撮っていけそうな石仏や木像は、地域、のどかな道端に存在する。
メンタルの強さは人並みかそれ以下の自分にはこの画角の単焦点で撮ることは難しいことが分かった。
なのでズームを使って土門拳の写真集のようにモノクロで撮った写真がこちら。




歴史に全く興味がない夫から「こわい!」と叫ばれたが、自分は撮っている時、今までとは全く違う撮り方になって面白さを感じていた。
仕事で撮っていた写真のように必要な絵をあらかじめ想定して撮るのではなく、被写体にまっさらな気持ちで対峙して撮る。
モノクロにしたからか、光の微妙な差で大きな違いになるのが見て取れた。
怖がる夫から「まぁ目立つっていいことだよね。海外の人なら『神秘的』とか言ってくれるかも…」とも感想が出たのでインスタで海外向けのアカウントを作ってみようかと考えている。
ドイツから地方移住の研究に豊前にやってきたCさんにも感想を聞いてみたい。