鬼と呼ばれた写真家「土門拳」の写真集を見て35mmのレンズが欲しくなってしまった話。

(この記事はnoteで2022年12月22日に公開した記事を移行したものです)

 

以前図書館で見ていた写真集を、とうとう買ってしまった。

新品がなかったので中古をamazonで注文。

土門拳は明治生まれ、昭和の超有名な写真家である。

土門拳(1909~1990)

土門拳は昭和を代表する写真家である。

徹底したリアリズムにこだわった報道写真や、寺院仏像など日本の伝統文化を独特の視点で切り取った作品を発表。

激動の昭和にあって、そのレンズは真実の底まで暴くように、時代の瞬間を、日本人の現実を、そこに流れる日本の心を捉えた。「絶対非演出の絶対スナップ」など独自のリアリズム論を提唱し、戦後写真界をリード。また、写真界屈指の名文家としても知られる。

 

土門拳記念館公式ホームページから引用

名前はなんとなく知っていて、ある時図書館で手にとった写真集を見た一番最初の感想は「怖い」だった。

 

かなり昔の写真のはずなのに、印刷物であるのにここまではっきりと生々しいものを感じるなんてと、途中怖くなって閉じた。

 

なんだかすごいものを見てしまった…と。

 

そしてしばらくしてまた見て、返しては借りてを繰り返して「怖いもの」をいつでも見ることができるように購入となった。

 

以下の記事に写真が掲載されているので気になる方は見てほしい。

「昨今ぼくがお寺をまわって、仏像ばっかり撮っているものだから、『土門はお寺屋になったのか』と陰口をたたく人がいるが、ヒロシマを撮っても、神護寺の薬師如来に対峙していても、僕の写真の中では千年前にヴァイタリティを感じたのと同じ日本人が語り合っているのである」

 

この記事でも紹介されている土門拳の言葉のとおり、土門拳は何よりも「日本人が好き」な写真であったと写真集では伝えられていた。

被写体が違っていてもテーマは一貫していたのだろう。

 

また写真集の表紙を開くと「土門拳はその生涯にわたって、『一日本人としての自分自身が日本を発見するため、日本を知るため、そして発見し、知ったものをみんなに報告するため』に、写真という表現手段に全身全霊で取り組んでいた」と説明書きがある。

 

土門拳が愛用していた画角が35mmだという。(自分のカメラはAPS-Cだから23mmのレンズが必要のようだ。)

 

その昔、土門拳に憧れた多くのカメラ愛好家たちが標準レンズを新品のうちに売って、単焦点35mmを手に入れていたらしい。

 

その気持ち、分かる、分かりますよ…!

 

そんなわけで今単焦点レンズがほしくて色々調べている。

 

私のライター仕事ではズームレンズが一番使いやすく、趣味の神楽撮影は望遠レンズ。

それで事足りるんじゃないかと思っても、土門拳が見て撮っていたのと同じ画角の単焦点レンズを使ってみたいという欲がフツフツわきたって仕方がない。

 

単焦点は前のカメラで使っていたけど(Canonの撒き餌レンズ)、X-S10での単焦点は初めて。

 

はやる気持ちを抑えるためにも、土門拳のライフワークとも言われる写真集「古寺巡礼」を集めるほうが先だろうか。(文章も素晴らしいそうだ)

 

ほぼ35年、ぼくは人生の過半を、カメラを背負って古寺を巡ってきた」

「すべて、ぼくの好きなものであり、ぼくが睨んで、ハッと胸打たれたものばかり」

 

あぁこれも見たい。

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