以前、都市部で暮らし働き、子育てをしていた頃、日々の忙しなさのせいなのか、言葉にできない澱みのような疲れがたまったころ、足が向いたのは、郊外の神社だった。

世界遺産に指定された福岡県宗像市の宗像大社は、当時住んでいた北九州市から車で約1時間ほど。
そもそも神社という場所に意識して行くことがなかったのに、ふらりと立ち寄ってみたらそこは、想像していたよりも広い森に囲まれた、静かな場所があった。

住んでいた場所近くの神社よりも広く、アップダウンも多く、息を切らして森の中を歩いていくと、鳥の声が聞こえたり、木立を抜ける風の音が聞こえてきた。

存在感に圧倒されるような巨木とも出会えた。

広い敷地内を歩き、途中休憩しながら駐車場に戻った頃には、来る前に感じていた澱みのようなものが無くなり、心身がスッキリしているように感じた。

それがきっかけで、神社によく立ち寄るようになった。
後で知ったことですが、15分以上の運動や森には心身をリフレッシュさせる効果があるそうですが、「あの場所を歩けば、なんだか楽になる」と本能的に感じていたのかもしれない。

そうして史跡巡りが趣味となり、SNSなどで発信していたら、「私も行ってみたい」と身近な人たちから言われるようになった。
神社やお寺なら、低山登山のように特別な装備を用意しなくても気軽に行くことができる。

遠くに行かなくてもすぐそばにこんなに良い場所があり、地域の人たちに大切に手入れされている。
訪れるための案内だけでなく、遠くの方でも読んで歩いた気持ちになっていただけたらと思い、このテーマで記事を書き加えていくつもりだ。