「豊のくにあと」は、福岡県豊前市周辺の「豊の国」エリアを中心に史跡を巡って出会った謎をライター目線で追う紀行ローカルメディアです。
現地で見たことや、感じた違和感を通じて、日本史の奥深さと、地域に眠る歴史の価値を発信しています。
地方のマイナーだけどすごい歴史を観光資源にするためにはどうしたら?ひとりのフォトライターができること。
(2023年4月16日のnoteの内容を移行)
歴史が好き、写真が好きなWebライターだと自負はあります。
子供の頃に奈良の平城京跡や、和歌山県の高野山に行って、「何だこれすごい」と衝撃を受けたのか、以来日本の歴史(特に古代とか平安とか古い時代)に興味を持つようになりました。
大人になって本州から北九州へ移り住み、2年前には少し南の大分県との県境、ギリギリ福岡県の豊前市に移住してからというもの、日常的に平安時代作の壁画や木像などを間近で見ることができて、「うわー、楽しい」と心から感じています。


子供心に感じた「何だこれすごい」の衝撃を受けられるような史跡へ、住んでいるところ中心に片道1時間の運転で行ける。
そしてそのような場所は無数にあります。





大阪生まれだからでしょうか。
「めっちゃいいやん!(Awesome!)」を誰ともなく伝えたくなるのです。
しかしそのめっちゃいい場所は、人口減少のためか荒れていく場所は増える一方です。
明治時代に廃仏毀釈の影響も受けずに済んだ山奥の寺、神社。
地域の人たちが守ってきた信仰の対象であるもの、文化が消えていく。
生まれ育った場所は大阪、その後は広島で過ごしました。
大空襲や原爆で焼けてしまったのか、そんな古い史跡は身近には無かった。
それらが消えてしまった場所にいたからなのか、古い歴史がそのまま残っていることの貴重さを感じずにはいられません。



縁もゆかりもなかった場所に住みながら、いつの間にか「この歴史を残せないか」「ここで途切れるのはもったいない」と自分ごとのようになっていきました。
もっとたくさんの人にこのすごい場所を知ってもらうことができないか。
「めっちゃいいやん!(Awesome!)」を伝え、この場所に来てくれる人、知る人を増やすことができたら。
そう思ってひっそりと取り組んでいたのはWebサイト(ブログ)でした。
自分の経験上、遠くの人ほどSNSよりGoogle検索が有効と実感しているので、検索に引っかかるようにとコツコツ記事を書き溜めていました。

自分と似た感覚を持つ人がこの生の歴史あふれる土地を「めっちゃいいやん!」と巡る旅の提案。
個人の強みを活かし、市や県の境界線も関係なく発信する。
ただし移住した豊前市だけの情報では、マイナーなエリアであるため遠くからいきなり「豊前!」とピンポイントで見つけてもらうことは難しいでしょう。
なので豊前市を周辺に歴史のつながり深い周辺の中津市、宇佐市、豊後高田市とエリアを合わせます。
宇佐市は宇佐神宮があり、豊後高田市はヨーロッパの方にもロングトレイルが人気の国東半島の一部です。



宇佐神宮に興味がある人や、国東半島のロングトレイルに興味が惹かれる人たちは、マイナーだけどすごい歴史が好きな方が多いのではないかと想像しています。
景勝地として有名な耶馬渓に訪れる人たちも、周囲にほかの見どころがあることを知ってくれたら足を運んでくれそうです。なんたって距離が近いのですから。
ひとつひとつのスポットだけでは東京や京都といった大きな観光地に霞んでしまっても、スポットが合体したらどうでしょう。
さらに合体といえば、高速道路で豊前から1時間の別府エリアや、高速道路で2時間の宗像大社(世界遺産)まで加えたらまた面白いかもしれません。
どちらも歴史でつながります。(北部九州は豊の国)

日本の人でさえよく知らない日本のマイナーだけどすごい歴史を海外の方が知ったら、どんな感想を持ってくれるのでしょう。
もしかしたらそう遠くない未来に消えてしまう史跡であったとしても、ネットという空間に残すことができたら、本当に消えることは免れるかもしれません。
小さな個人の力でも、様々な形で発信していくことはできます。
そんな時代です。
この素晴らしい歴史が観光資源になればいいと願いながら、まずはひとりでもできることを続けてみます。
フォトライター ぶぜんノート
(2023年4月16日)



