人生初の登山は福岡県豊前市の求菩提山(くぼてさん)です。
アウトドアに興味が無かった子供が「登りたい」と言いだして、子供の挑戦に付き合うつもりで登ることになりました。
ハードルを感じたのは、登山未経験であること、土地勘が無かったこと、体力に自信がなかったこと…
無いものばかりで困りました。
「本当に登って帰って来れるのだろうか?」
そもそも豊前市から離れた北九州市に当時は住んでいたのです。
どんな場所なのか、全く見当がつかなかったので、豊前市役所に「登山未経験者でも登れる山ですか?」と問い合わせてみました。
すると「保育園児でも遠足で登るらしいですよ」と回答を得たものの、それだけで登るには、他に情報が足りませんでした。
登山口の場所もどこなのか分からず。
自分たちだけで登るにはあまりに不安でした。
そこで更に調べてみて、豊前の「史跡ガイドボランティア」の情報を見つけることができました。
豊前の歴史と登山愛好家の方々が、一緒に求菩提山に登ってくれるというもので。
連絡先に指定されていた求菩提資料館に電話すると、史跡ガイドボランティア担当という職員の方が応対してくれました。
その結果、史跡ガイドボランティアの方が二名、私達親子の初の登山に同行してくれることになったのです。

里と山の境界

求菩提山の石仏

北九州の市街地では見ることがなかった石仏群

崖下に並ぶ石仏に驚いた。

苔に覆われる岩を珍しく感じた。

初めて見た可愛い花は「ミツマタ」

山伏の住居の跡。こんな山深い場所に人が住んでいたことに驚いた。

山伏の弔いの場所。


静かな場所だった。


真新しいしめ縄が巻かれていた。

山伏のかつての水飲み場「獅子の口」。獅子?

山奥の大きな鳥居に圧倒された。

国玉神社中宮付近。

鬼が祀られている鬼神社。

国玉神社の彫刻。何かは分からないけれど表情が可愛らしい。


初めての求菩提山は、山中の鳥居、結界石、神社、鬼の石段と呼ばれる自然石を積み上げた階段など、見るもの全てが珍しく映りました。
ガイドをしてくれた方のおかげで、体力に自信が無かった自分と子供でも、「周回コース」と呼ばれる登山口から頂上、頂上からぐるっと「窟」と呼ばれる山伏たちの修行場を巡って降りてくる、求菩提山登山の標準的なルートを歩くことができました。
それが私の低山登山の始まりでした。
ここ近年では仕事の取材での登山ばかりでしたが、あの何も考えず頭を空っぽにした状態で、ただ山中を歩く行為をまたやってみたいと思うのです。

頂上の上宮まで鬼の石段が続いていた。

誰がどのように建てたのか。昔の人はすごい。

求菩提山頂上には巨石と木と石塔。

山頂

山頂からぐるりと降りながら窟を巡っていく。

見たことがないような岩壁。

岩壁に水が染み出していた。
