「なぜ豊前神楽のあの鬼が舞う演目は『みさき』って言うんでしょうね」
知っている宮司さんがふとこぼした言葉だ。
その時は「みさきといえば、海だろうか?」と言いかけた時、ちょうど何か別の用件が入って会話が中断した。
その後、ある本を見ていた時に「七人御先」の怖いエピソードを知った。
「みさき」は心残りをして亡くなった者の魂、すなわち祟る霊という意味もあるようだ。
宮司さんの言葉の真意が何だったかは聞けなかったが、確かに豊前神楽のあの鬼が舞う演目はなぜ「駈仙(みさき)」と呼ぶのだろう。
豊前の鬼は猿田彦大神と、豊前市内の古社「大富神社」は伝えている。
そして国東半島は鬼が仏になった里と言われ、鬼は自分たちの先祖として祭りが行われている。
また、この駈仙(みさき)は中国・四国地方の神楽でも見られるそうだ。




