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【中津市】山国町、雨乞いの霊験あらたか「中摩殿畑山」へ

運動不足解消と腰痛予防、心身のリフレッシュのためにゆるい低山登山を2021年から続けている。

 

山にはまり、トレーニングを積んでいつか穂高連峰へ…なんて気持ちは微塵もなく、「あぁよい運動になった気持ちよかった」程度で登山を終わりたい。

 

そんな自分が「登ったことはないけど、知っている人によれば求菩堤山よりラクらしいです」と耳にして、トレッキングツアーに申し込んだのが中摩殿畑山(なかまとのはたやま)。

標高991メートルの山で、山頂には八大竜王祠があり、自然石のご神体が鎮座しています。雨乞いの霊験があるとされ、多くの人々が参詣していたと伝えられています。山頂から分岐する三つの尾根にブナの原生林が残されており、自生のブナの大木を数多く見ることができます。ブナの原生林は、県指定天然記念物。

 

中津市ホームページから引用

 

標高991メートルということはほぼ1000メートル、であれば中級以上の山だから大丈夫だろうか。
いや、求菩提山よりラクと言うしなぁ。

知人からの「求菩堤山よりラク」という言葉を参考に、ならば大丈夫かと思って申し込んでみた。
求菩提山こそ、普段登っている気持ちよく登って降りている山だったからだ。

完全に油断して、申込みから登山当日までの2ヶ月ほど、体調不良のせいもあってほぼ運動せず当日を迎える。

 

登山した日は9月の終わりだというのに真夏のように暑く、舗装された急登がずーっと続き、参加者は無言だった。
藪もかきわけ、崖のように落ちたらアウトな道、石がゴロゴロした急登。
あれ、初心者でも行けるんじゃなかったのー

呼吸は浅くなり、ゼェゼェ言い出して、足にも力が入らない。
最もきつい急登の途中でもうギブアップしてしまうおう…手を上げようとした瞬間になぜか現れたスズメバチ。
ツアーの一行は歩みを止めて固唾をのんだ。

 

「スズメバチがいるので止まらないで、ゆっくりそのまま進んでください」

 

本能とはすごいもので、もう動かせないと思っていた足が動いた。

結局頂上まで登ることになり、「今日は本当に綺麗な空です。あっちが英彦山ですよ。ここは英彦山を遥拝する場所なんです」とガイドの方に教えてもらった。

 

その言葉どおり、はっきりと山の稜線が見えた。
事前に知っていたらきっと登っていなかったであろう山、途中諦めていたら見れなかった景色。
遠くの山を眺めながら、「どれがどの山か、よく皆さん分かるものだ」と感心した。

 

這々の体でスタート地点まで戻るも足はガクガク、汗は塩になっていた。

 

無事頂上まで登って帰ってこれただけで御の字だ。

 

同行した20代の若者は「きつかったですね、でも犬ヶ岳よりはマシだったかな」と言っていたので、知人の情報、豊前の山でも「『求菩提山よりラク』じゃなく『犬ヶ岳よりラク』の間違いだったのでは…」と思った。

 

ツアーのほとんどの参加者のように、ちゃんとトレーニングしている登山者の方は大丈夫なのかもしれないが、自分のような低山登山初心者の方は心して登っていただきたい。(お気をつけて!)

 

なんたって雨乞いをするための山なのだから。そう甘くはないのだと思った。

自分のレベルでは無謀なチャレンジであったにしても、英彦山を裏側から拝むことができた貴重な体験であったことは間違いない。

 

※2023年9月30日登山

中摩殿畑山の情報

中津市山国町中摩

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