右三つ巴紋をきっかけに、いくつかの場所を巡るようになっていました。
まだ何かが分かったわけではなく。
ただ、気になる場所に足を運んでいました。
その流れの中で訪れたのが、国東半島にある応利山でした。

ここには、六郷満山の寺院のひとつとされる報恩寺の奥の院がありました。
山へ続く長い階段を登る。
残暑が厳しく、歩くたびに汗が流れました。
息を整えながら、ひたすら上へと進みました。

ようやくたどり着いた先に、小さな石祠がありました。
たしか階段手前に「風除大権現」と書かれた小さな板がありました。
なぜ、ここに風を除ける神が祀られているのか。
そのときは、よく分かりませんでした。
石祠の上のほうを見ると、巨石がありました。
磐座のようにも見える、大きな岩でした。
その光景を見たとき、ふと、以前に訪れた山のことを思い出しました。
北九州市にある権現山。
あの山の山頂付近にも、似たような空気がありました。
お寺ができる前から、何かがあった場所なのではないか。
そんな感覚が、頭の片隅に残りました。
このときは、まだ何も分かりませんでした。
ただ、山の上に祠があり、その上に岩がある。
その配置が、どこか引っかかりました。
後になって、この場所にも、ある共通点があることに気づきます。
けれど、このときはまだ、それに気づいていませんでした。
ただひとつ、残ったのは違和感。
(連載8につづく)
- 【豊のくにあと歴史の謎:連載1】宗像大社から始まった不思議な旅。無関係と思っていた「点」をつなぐ道の起点
- 【豊のくにあと歴史の謎:連載2】移住した旧豊前エリアで浮かび上がるいくつもの謎。つながるようで、つながらない右三つ巴紋がやはり鍵か
- 【豊のくにあと歴史の謎:連載3】読者からの情報提供で得た「牛頭天王」の謎を追うと天照大神の荒魂・水の女神「瀬織津姫」に行き着いた
- 【豊のくにあと歴史の謎:連載4】勝者に消された歴史がある?_出雲王国の口頭伝承が伝えられた本、実際に消された跡を見て
- 【豊のくにあと歴史の謎:連載5】右三つ巴紋を頼りに「消された」「変えられた」跡を拾い集めていくと新たな謎につながっていく
- 【豊のくにあと歴史の謎:連載6】天念寺で見た、海の模様
- 【豊のくにあと歴史の謎:連載7】応利山で見つけた小さな祠
- 【豊のくにあと歴史の謎:連載8】馬城山で見た、山に向かう海の神
(連載中)

