八大龍王=瀬織津姫と関連?天念寺と無動寺の六所権現から見える神仏習合の謎

豊後高田市 天念寺 鳥居
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国東半島の山深い地に位置する六郷満山の寺院、天念寺。ここでは毎年旧暦1月7日に、神仏習合の伝統を伝える勇壮な火祭り「修正鬼会(しゅじょうおにえ)」が行われます。

この天念寺の奥の院には、かつて**「六所権現」が祀られていた身濯(みそそぎ)神社があります。この山中の社に、なぜ海の波の紋様「青海波」**が描かれているのかという謎は、最近得られた一つの情報によって深まりました。

豊後高田市の学芸員の方から「あそこに祀られているのは『八大龍王』です」という興味深い情報をいただきました。この龍神信仰の痕跡から、六郷満山における神仏習合の謎を考察します。

豊後高田市 天念寺 鳥居
目次

火祭りの地に祀られた水の守護神「八大龍王」

八大龍王は仏教における水の守護神であり、降雨や水害除けの神格として、水神信仰の核をなす存在です。

火を多用する修正鬼会が行われる天念寺で、その鎮守として水の守護神である八大龍王が祀られていたことは、非常に重要な意味を持ちます。

火除けと治水

学芸員の方から「火除け」としての意味合いがあるのでは、という推測があったように、八大龍王は、修正鬼会の火に対する守護、そして寺院のすぐそばを流れる長岩屋川の治水を担う存在として位置づけられていたと推測されます。実際、天念寺境内には、暴れ川だった長岩屋川を鎮めるための川中不動も残されています。

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この記事を書いた人

2021年に豊前市へ移住。フォトライターとして、主に福岡県の豊前市・上毛町・吉富町・築上町・みやこ町・行橋市・苅田町、および大分県の中津市・宇佐市・豊後高田市・国東市といった旧・豊の国エリアを活動範囲としています。
カメラを持ってフラッと6時間のカメラ旅に出かけ、このエリアの史跡、神楽、祭りなどを記録し、「日常を離れた歴史の世界」の魅力を発信するほか、古民家図書館を運営。

地域の宝を守るために。大分県中津市 金色妙見宮の歴史継承プロジェクト(12/10まで)

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