国東半島の北側の海に面した長崎鼻には、キャンプ場、海水浴場、現代的な美術館などがあり、春には広大な敷地に広がる菜の花、夏にはひまわり畑を楽しみに、多くの家族連れや旅行者が訪れる。
その長崎鼻のキャンプ場の敷地内にひっそりと、古くからの信仰を感じさせる場所がある。
それが「行者洞穴」だ。
キャンプ場の案内書きでも「パワースポット」と紹介されていた。
整備されたキャンプ場を歩くと、場の雰囲気とは異質な石灯籠が見える。
そこが行者洞穴の入口で、崖の下の空間へつながる階段がある。
階段を少し降りてみたら、ぽっかりと広がる大きな空間。
初めて訪れた時は、想像以上の広さに浮遊感を覚えるほどだった。
天然の崖の隙間から、その先の海が見える。
巨石や巨木、岩陰に、はるか昔の人たちは神秘を感じていたという。
この場所はかつて山岳信仰の行者たちの修行の場であったと言われている。
現在は、その風景の迫力と美しさから、写真愛好家の方もよく訪れており、写真家の石川直樹氏の写真集「国東半島」にも、行者洞穴の写真が掲載されている。
行者洞穴の場所
〒872-1207 大分県豊後高田市見目 長崎鼻