2021年に豊前市に移住して以来、あちこちの神社をまわりました。
景色を見に、正常な空気に癒されに、カメラを持って。
そのうちに「なぜここにこんなものがあるのだろう」と疑問に思い、調べ、つながりある神社をまた訪ねる。

その繰り返しをしているうちに、最近になってやっと、ある見落としに気づくことができました。
竜王浜の神社「闇無浜神社」
大分県中津市には周防灘の海辺に鎮座する「闇無浜神社」があります。
闇無浜神社に祀られる御祭神のうち一柱が「瀬織津姫(せおりつひめ)」です。
「瀬織津姫」は天照大神の荒魂といわれているにも関わらず、「古事記」「日本書紀」には登場しない神です。
「延喜式」の祝詞などには名前が見られる神ですが、その不思議さに「謎が多い女神」ともいわれています。
私は瀬織津姫という存在を意識したのは、上毛町の八坂神社が初めてでした。

その八坂神社と山国川を挟んで、そう遠くない場所にあるのが闇無浜神社です。
瀬織津姫を祀る神社の数は、そう多くはありません。
それなのにこの近い距離で二つも瀬織津姫を祀る神社がある・・・
何か意味があるのか、それともないのか。
情報が得られないまましばらく時間は過ぎました。
別のことを調べに訪れた国東半島でヒントを得る
しかし、意外な場所で大きな手がかりに出会います。

国東で手にした書籍「宇佐神と安岐郷奈多宮」。
宇佐神宮と強い関わりを持つ国東半島南東部の古社の元宮司さんが書かれた本。
そこには、闇無浜神社の御祭神に「安曇磯良」の名があると記されていました。
安曇磯良は、古代の海人の一族である安曇氏(阿曇氏)の祖神とされる存在です。
日本の神話や中世の伝承に登場する海の神ともいわれているそうです。
安曇磯良について更に情報を得ることで、これまで私が疑問に思ってきた「山の中の『海』」の謎について、自分なりに納得が得られてきました。

また、書籍のなかでふれられていた、福岡市博多区にある住吉神社。
意外なことに、大阪の住吉大社よりも起源は古いという説があり、住吉大社のルーツは「阿曇氏(あずみし)」のゆかりの地にある「志賀海神社」であるという情報もありました。
宇佐神宮と深く関わる「古表神社」「古要神社」が安曇族の拠点だった説
旧豊前エリアにも安曇族の拠点だった神社があると書籍「宇佐神と安岐郷奈多宮」で伝えられていました。
それは古表神社と古要神社です。
宇佐神宮の重要な行事「放生会」ではかつて、古表神社・古要神社の傀儡師が海上から舞を奉納したと伝えられていたそうです。
「八幡古表神社」は福岡県築上郡吉富町にある、1400年以上の歴史を持つ由緒ある神社です。
傀儡子とそれを操っての傀儡子の舞(細男舞)と神相撲が伝わります。
古要神社は大分県中津市伊藤田にある神社です。
神社の創建については不明でしたが、傀儡舞は1300年以上受け継がれてきたものといわれているようです。
この細男舞を調べると、さらに興味深い情報も見つかりましたがそれについてはまた別の記事で触れたいと思います。
この記事に近い記録
久留米の古い神社で記された「高良玉垂宮神秘書」には、志賀海神社の神(志賀)、鹿島神宮の神(鹿島)、春日大社の神(春日)が、実は安曇磯良と「一躯分身(一つの体が分かれたもの)」であり、名前が異なるだけの同一存在であると説かれていた。そこから更に考察を進めます↓


