山の中になぜか海の痕跡がある_移住した豊前市周辺で目にした、山の中の海。
たとえば国東半島・六郷満山の天念寺の本堂に残されていた海の模様がそうです。


他にも山頂に金毘羅様や、山深い夷谷で見つけた蛭子社(えびすしゃ)も、山の中の「海」です。


山の中に海が残っていたのは、かつて九州・瀬戸内海・紀伊半島に強い影響を持つ、ある豪族たちや、そのルーツを示すものではないかと考えるようになりました。
そこで思い出したのが、行橋市の史跡の入口にあった「海の神」を祀る神社の存在です。
御所ヶ谷神籠石(ごしょがたにこうごいし)は、福岡県行橋市・みやこ町にまたがる御所ヶ岳(ホトギ山)に築かれた7世紀後半頃の古代山城(神籠石系山城)で、山頂部から尾根に沿って約3kmにわたる列石・土塁・石塁が巡らされ、特に大規模な中門の石塁と水門が残る国指定史跡です。
記紀に載らない謎の古代遺跡「御所ヶ谷神籠石」の麓の「住吉神社」

御所ヶ谷神籠石のエリアは大変広大で、自然公園になっています。
2024年3月に、一度行ってみようと訪れた歳、看板の一番下側、史跡の入口側の駐車場に停めて、神籠石の中門を目指すことにしました。
この画像はおそらく駐車場エリアで撮影しました。
その駐車場のすぐ近くになぜか住吉神社があったのです。
「なぜ、こんな山奥の史跡に海の神様を祀る住吉神社があるのだろう?」という本当にごく僅かな疑問でしかなく、見過ごしていました。

しかしこれまで謎を追ってきて、この神籠石が磐井に関わる遺跡であるとしたら。
この場所に海の神である住吉神社が祀られていることに納得したのでした。


そして景行神社のずっと先、巨石の向こうにひっそりと残されていた「奥の院」は、「海の神」の奥の院なのかもしれない。
そう思いを巡らせました。


「御所ヶ谷神籠石」の麓の「住吉神社」の場所
日本、〒824-0047 福岡県行橋市津積





