神社の由緒を読んでいると、知らなかったことに出会います。
今回、気になったのは、三重県志摩市にある宇賀多神社の獅子舞です。
宇賀多神社では、毎年1月1日から3日まで、鵜方獅子舞保存会によって獅子舞が奉納されています。
特徴的なのは、雄獅子と雌獅子の二頭がいること。
雄獅子は「宮さん」、雌獅子は「権現さん」と呼ばれ、正月3日には二頭そろって舞を奉納するそうです。
神社の記事を読んでいて、もう一つ気になる記述がありました。
熊野権現を勧請したという説
宇賀多神社の記事には、獅子舞の始まりについて、次のような説が紹介されています。
天文13年(1544年)、鵜方村西部を領有していた越賀隼人が、鯨の大漁祈願のために西丘へ熊野権現を勧請し、権現社を創設した。その際に獅子舞が行われ、その後、八王子社の境内で舞うようになったというものです。
由緒では、これとは別に、獅子舞が始まった時期を室町時代中期頃と推定する説明もされています。
熊野権現を勧請したという話は、あくまで伝えられている説の一つです。
ただ、私が気になったのは、そこに熊野権現と獅子舞の関係が記されていたことでした。
獅子舞と権現
私はこれまで、熊野権現と獅子舞が関わっていることを知りませんでした。
獅子舞は、神社のお祭りや神楽などで目にするものです。
けれども、その背景にある信仰については、知らないことがまだまだあります。
宇賀多神社の獅子舞では、雌獅子が「権現さん」と呼ばれています。
また、由緒には、かつて熊野権現を勧請した際に獅子舞が行われたという説が残されています。
こうした記述を読むと、獅子舞と権現信仰の関係が気になってきます。
もちろん、各地の獅子舞がすべて熊野権現に由来するわけではありません。
それでも、獅子舞を芸能として見るだけでなく、神社の信仰や地域に伝わる由緒から見てみると、新たな発見があります。
今回、宇賀多神社の由緒を通して知った、熊野権現と獅子舞の関係。
忘れないように、ここに記録しておきます。

