前回、貴船神社の御祭神である高龗神と闇龗神について書きました。

高龗は「山上の龍神」。
闇龗は「谷底暗闇の龍神」。
同じ神でありながら、「高」と「闇」という二つの名前を持っています。
では、この二つをつないでいるものは何なのだろう。
そう考えていくと、やはり「水」が気になってきます。
雨は、空から降ります。
山に降った雨は、土に染み込み、地中に蓄えられる。
そして、やがて地上に湧き出し、川となって流れていく。
上から下へ。
地上から地中へ。
そして、また地上へ。
水は、一つの場所にとどまっているわけではありません。
姿を変えながら、巡っています。
貴船神社の説明にも、高龗神は、雲を呼び、雨を降らせ、陽を招き、降った雨を地中に蓄え、それを少しずつ適量に湧き出させる働きを司る神、とあります。
読んでいて、ふと思いました。
これは、単に「雨を降らせる神」という話ではないのではないか。
雨が降る。
地中に蓄えられる。
そして、湧き出す。
水が巡っていく、その一連の動き。
その全体を見ているようにも思えます。
高龗の「山上」。
闇龗の「谷底暗闇」。
その間を、水が移動している。
そう考えると、「高」と「闇」は、単に場所の違いを表しているだけではなく、水が存在する、異なる場所や状態を表しているのではないか。
そんなことも考えるようになりました。
もちろん、これは私の見方です。
古代の人が本当にそのように考えていたのかは、まだ分かりません。
ただ、神社を調べていると、神様の名前の中に、「山」「谷」「雨」「水」「湧く」といった自然の動きが重なって見えてくることがあります。
それぞれを別々に見るのではなく、一つの循環として見る。
そんな見方が、古い信仰の中にあったのかもしれない。
そう思うと、高龗と闇龗の「二つの名前」が、少し違って見えてきました。
そして、ここから先、私は貴船神社の別の御祭神にも目が向くようになります。
そこにもまた、「水」をめぐる不思議な組み合わせがありました。
もう少し、追ってみようと思います。



